「医学博士」や「医者」になるためには?

前回、「医学博士」と「医者」の違いについてお話しましたが、今回は「医学博士」と「医者」になるためのお話です。

「医学博士」と「医者」の違いについては前回の記事を参照してください。
「医学博士」と「医者」の違い

前回は「医学博士」からご説明しましたので、今回は「医者」のなり方から。

まず医者になるには、医学部医学科を設置している大学に入学する必要があります。
通常、大学を卒業するまでにかかる期間は4年間ですが、医学部医学科は6年間通う必要があります。
医学部に通っている間(又は卒業後)に、医師国家試験に合格した人が「医者」となります。

ただ、大学を卒業するだけで医者として一人前なのかというとちょっと違います。
医者としての仕事は医師国家試験に合格することで法律上一応することはできるのですが、
一般的には研修医として2年間働くことになります。(この期間はバイトや開業などができません)

この研修医は師事する医師について様々なことを学ぶのですが、
学生時代と異なり医者としての活動を許されている人たちなので、
普通の診察や救急外来の診療などを担当することもあります。

さらに言えば病院には「○○科(外科とか小児科とか)」のような専門があるかと思います。
研修医として学び終わったあとは、自分の進みたい専門の科に進んでさらに知識を深めます。

大学を6年・研修医を2年・専門科の勉強を3~4年を積んで、やっと1人前の医者と言われます。
高校を卒業してからストレートにここまで来ると18歳から12年経つので、早くても30歳ということになります。

もちろんそれでゴールではなく、医学も日進月歩で変わっておりますので、日々勉強だそうです。

次に「医学博士」のなり方ですが、これはシンプルに『医学系の博士課程を修了させる』というだけです。

この条件には医学部医学科を卒業していなければならないということもなく、
文系の大学を卒業後、大学院で医学の道に進んだとして、最終的に『医学系の博士課程を修了させる』というのでも大丈夫です。

ちなみに「医学修士」という言葉は聞きなれないと思いますが存在します。
これは4年制大学を卒業した人が修士課程で医学の研究をするためのものであり、
基本的には生物系の学部学科や理工系の学部学科を卒業し、研究するための進路です。
なかには文系の学部から進学する人もいるらしいです。

ここで医学修士を取得してから医学博士を取るという流れもあります。

珍しいケースだと、別の分野の博士課程を修了させてた人が、数年の研究を経て医学博士を取得したということもあったそうです。

ともあれ、医学博士はあくまで『医学系の博士課程を修了させた人』を指す言葉なため、
ゴールとして『医学系の博士課程を修了させる』が達成できれば、それまでの過程はあまり意味を持ちません。
もちろん、医学系の博士課程にはいるためには相応の知識が必要なため、少なくとも生物系・生命系は大学院レベルの知識が必要です。

医学博士になるためには必ずしも医学部を卒業しなければならないというわけではないことがお分かりいただけたでしょうか?
何か進路について相談したい、何かわからないことがあるから相談したいという場合は、お気軽にお問い合わせください。

それでは、また次回。よろしくお願いいたします。