よく理系受験生の方から、以下のようなご質問を頂きます。
「理学部と工学部って何が違うんですか?」
例えば生化学(生物と化学)を東大で学ぶ場合、理学部生物化学科と工学部化学生命工学科の2つが存在します。
あるサイトでまとめられている学科の説明には
理学部生物化学科では、生化学、分子生物学、物理学、化学などの基礎に立って、生命分子の構造と機能が生命現象にどのようにかかわるかを追究する。
工学部化学生命工学科では、化学と生命の融合領域において人類社会に貢献する革新的基礎科学と科学技術の創成を担う優れた人材を育成する。
と記述されており、結局何が違うのか今一つわかりにくいと思います。
理学部と工学部の違いについて明確な違いが定義されているわけではありませんが、解釈の1つとして今回は解説できればと思います。
理学部と工学部の違いは「最終的な目標の違い」があると考えています。
理学部は科学的な真理の探求を目標としており、そのために数学や理科の研究を行います。
一方で、工学部は人類の発展や幸福を目標としており、そのために数学や理科の研究を行います。
どちらも数学や理科の研究を行うのは同じですが、その目標(目的)に違いがあるということですね。
巷では「理学部は基礎研究をやって、工学部は応用研究をする」と仰られる方がいますが、必ずしも正しいわけではありません。
なぜならば、目標のために基礎研究が必要であれば、理学部も工学部も基礎研究を行うためです。
ですので、基礎研究をしたいから理学部という選び方は適切ではありません。
基礎研究を何のために行いたいのかの理由によって、理学部を選ぶのか、工学部を選ぶのかが変わりますね。
そう考えると、理工学部とはどのような学部なのでしょうか。
単純に理学部と工学部を融合させた学部というイメージ通り、
理工学部は理学と工学の両方の立場から総合的に研究・教育を行う学部という位置づけだと思います。
だから、東京理科大学などは理学部・工学部・理工学部をそれぞれ設置しているのですね。
一方で慶應義塾大学のように理工学部だけの大学もあれば、東京大学のように理学部・工学部だけの大学もあります。
これらは大学側が理系学問についてどのような考え方を抱いているのかがわかりますので、参考にしてみてください。
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では、また次回。